一般的な日本の「城」としては、水堀や石垣に囲まれた中に天守がそびえる構造物をイメージされるされる方が多いと思います。
このような城は、いわゆる近世城郭で、基本的には織田信長が築いた安土城以降に見られる限定的なものです。
現在日本全国に残る3万~5万とも言われる城跡のほどんどは、山地に築かれた土で造られた山城です。
誤解を恐れずに言うと、本来の日本の「城」とは、すなわち有史以前(特に鎌倉時代以降)から戦国時代に至るまでに築かれた多く(ほとんど)の城は、山の尾根上や河川の段丘などに土を切り開いて作られた山城なのです。
そのため、「城」という漢字も「土で成る」と書きます。
本稿では、この山城の建築手順について、地選→地取→縄張り→普請→作事と順を追って見ていきたいと思います。 “【山城築城の流れ】完成に至る全工程をわかりやすく” の続きを読む