【守護大名と戦国大名の違い】

いずれも室町時代における軍事勢力の長の呼称である守護大名と戦国大名の違いを説明できますか。

学術的な細かい定義はおいておいて、ざっくり一言で行ってしまうと、室町幕府によって守護職任命されてその権威をもって分国を支配する者が守護大名であり、自らの軍事力・経済力によって領国を支配する者が戦国大名です。

イメージとしてはそれほど違いがないかのように思えてしまうのですが、権力の背景の違いから、大名の居住地・領国の実務支配者・居城の位置・国人に対する影響力の程度など、実際には多岐に亘る大きな違いが存在しています。

本稿では、この守護大名と戦国大名の違いについて、その成り立ちから簡単に説明したいと思います。 “【守護大名と戦国大名の違い】” の続きを読む

【南禅寺が五山之上という別格扱いにされている理由】

南禅寺(なんぜんじ)は、京都市左京区南禅寺福地町にある臨済宗南禅寺派の大本山であり、臨済宗寺院である京都五山・鎌倉五山の上に置かれる別格扱いの寺院として日本の全ての禅寺の中で最も高い格式を持つとされています。

もっとも、南禅寺が五山之上という別格扱いにされた理由は、宗教的な理由ではなく、後醍醐天皇の政治的思惑と足利義満のわがままによるものです。

本稿では、南禅寺が五山之上に位置することに至った経緯・理由について簡単に説明します。 “【南禅寺が五山之上という別格扱いにされている理由】” の続きを読む

【室町幕府の成立】1336年の建武式目制定により成立した足利尊氏政権

後醍醐天皇と袂を分かった足利尊氏は、九州で再起を果たし、京を目指して進軍していきます。

なお、建武の新政の成立及び足利尊氏と建武政権の対立(建武政権が勝っていた序盤戦足利尊氏が逆転した終盤戦)については、別稿をご参照ください。

京に攻め上った足利尊氏は、後醍醐天皇を追い払った上で光明天皇を擁立し、その下で室町幕府を開きます。

本稿では、この足利尊氏入京から室町幕府の成立について見ていきましょう。 “【室町幕府の成立】1336年の建武式目制定により成立した足利尊氏政権” の続きを読む