【比叡山延暦寺】観光前に知っておきたい延暦寺の歴史概略

延暦寺は、現在の日本最大の湖である琵琶湖の西側に京都市と滋賀県大津市にまたがる場所にそびえる標高約848mの比叡山に、伝教大師・最澄によって開かれた天台宗の総本山です。

延暦寺とは、その名称から1つの寺であるかのような印象を持ちがちですが、その名の1つの寺(建物)があるのではなく、比叡山山上と山下にある100を超える堂宇の総称です。

その中心は、開祖最澄が延暦7年(788年)に建てたお堂(一乗止観院)を前身とする国宝・根本中堂(現在の建物は、江戸幕府3代将軍の徳川家光が建てたものです。)で、本尊は薬師如来です。

最澄の教えを学ぼうとして多くの才能が集まり、また最澄の死後に受戒が許される寺となったこともあって多くの名僧が巣立っていった場所でもあります。

現在は、1700haの広大な敷地内に東塔(とうどう)・西塔(さいとう)・横川(よかわ)の三塔エリアに分かれてそれぞれに本堂が存在し、さらに山中に100を超える堂宇が点在していますので、全て回るためには1日がかりとなります。 “【比叡山延暦寺】観光前に知っておきたい延暦寺の歴史概略” の続きを読む

【六勝寺】院政の舞台・白河に創建された6つの御願寺

六勝寺(ろくしょうじ、りくしょうじ)とは、当時の政治の中心地であった鴨東白河の地に白河天皇以降5代の天皇が建立した5つの天皇御願寺と、1つの女院御願寺をあわせた6つの寺の総称です。

6つの寺の法号にいずれも「勝」の字を持つことから、まとめて六勝寺と呼ばれています。

院政の舞台となった京の白河の地にある院政期を象徴する寺院でしたが、室町期以降その維持管理が停滞し、応仁の乱以降にほぼ廃絶しています。

現在では、石碑や町名などに面影を残すのみであり、寺域や伽藍配置などにおいて不明な点は多いため、発掘による考古学的調査および復元作業が進められています。

本稿では、六勝寺についてその建立時の政治情勢を踏まえつつ現在までに明らかとなっている点を基に説明したいと思います。 “【六勝寺】院政の舞台・白河に創建された6つの御願寺” の続きを読む

【金閣寺】足利義満による北山新都心計画の跡

金閣寺は、臨済宗相国寺派の禅寺で正式には北山鹿苑禪寺(鹿苑寺)といい、本尊は、観音菩薩(方丈本尊)です。

寺内にある内外に金箔を貼った3層の楼閣建築である舎利殿を金閣といい、この舎利殿があまりにも有名なため、これを含めた寺院全体が別称として金閣寺と呼ばれています。 “【金閣寺】足利義満による北山新都心計画の跡” の続きを読む