クナシリ・メナシの戦いは、寛政元年(1789年)年に道東の国後郡から目梨郡にかけての地域で起きた、アイヌ交易権を濫用していた飛騨屋の横暴にたえかねたアイヌ人の一斉蜂起です。
130人のアイヌ人が蜂起し、71人の和人が殺害されたのですが、発生場所が遠方ということもあり、松前藩の鎮圧部隊が事件発生の2ヶ月後に現場に到着したころには蜂起は終結していたため、実際には松前藩とアイヌとの戦闘が行われることはありませんでした。
大規模戦闘が起こった訳ではありませんでしたが、松前藩から交易権を代行していた飛騨屋の横暴とそれによるアイヌの困窮が明らかとなり、江戸幕府によるアイヌの生活環境改善に向かうに至ったターニングポイントとなった事件です。
本稿では、クナシリ・メナシの戦いについて、その発生に至る経緯から簡単に説明していきたいと思います。 “【クナシリ・メナシの戦い】” の続きを読む