鎌倉仏教は、鎌倉時代初期、比叡山延暦を下りた幾人かの高僧によって開かれた一般庶民・武士向けの仏教です。
それまでの仏教は、国家の判断によって導入された皇族・貴族の特権的文化であったのですが、鎌倉仏教では、これを易行・選択・専修を特色とする「簡単な修行を1つだけ選びそれだけを行えば足りる」とすることで一般大衆に門戸を開き、日本全国への爆発的な普及のきっかけとなりました。
この鎌倉仏教の広がりは、大きく分けると他力本願を是とするグループと、自力本願を是とするグループという2つの派閥で広がっていき、他力本願グループは主に庶民層に、自力本願グループは主に武士階級の支持を得ました。
そして、他力本願を是とするグループでは法然・親鸞・一遍・日蓮などを開祖とする宗派が生まれ、自力本願をとするグループでは栄西・道元などを開祖とする宗派が生まれています。
本稿では、この皇族・貴族から庶民・武士へと担い手が変化するに至った革命的ともいえる鎌倉仏教について、その成立に至る経緯から簡単に説明したいと思います。 “【鎌倉仏教の興り】貴族の特権から民間信仰に変遷した仏教革命” の続きを読む